1、ブラック企業を渡り歩くリエの転職記録1『小さな美容室の色気ばばあ』
遭遇したモンスター
私の最初の勤め先は小さな美容室でした。
私を含めて5人と言う、地方のこじんまりとした所です。
このように小さな職場ですと、人間関係が限られてきてしまって風通しが悪く、一度険悪なムードになるとなかなか元に戻ることが難しくなるのかもしれません。
美容室の「オーナー兼店長」である、その女性は当時65歳。
東北出身で、その年代の女性にしては珍しく、身長が168㎝程と高身長でスラリとしていました。
顔立ちもハッキリとした美人で、さすが「美容」には気を使っている様子でした。
(と、言うよりそれがヒシヒシと伝わって来ていました。(汗))
当時、二十歳過ぎだった私は、もちろん、一番の下っぱとして入社しました。
私はこのオーナーの機嫌を取ることが下手くそでしたがその一方で、女性の先輩である「佐藤さん20代後半」(仮名)はものすごく上手でした。
その後、この人を見るたび「スネ夫」を彷彿と感じる私が存在するほどです。
そして、この「ジャイアン・スネ夫・のび太」の三角関係で私はひどく病んで行くことになるのです。
くせ者の佐藤さん
こいつも相当な曲者で、ついでに髪の毛も相当な「クセ」がありました。
(本当です!チリチリでした!)
話を聞くと佐藤さんは「不倫の恋にはまっていて辛い!」と普段から泣きわめいていて、オーナーに恋愛の相談をしていました。
職場で話しているので、私も良く聞かされたのですが、内容は「デートの約束をしても、ドタキャンされる事の方が多く、会えるかもしれない日は「ストレートヘアアイロン」で髪の毛を真っ直ぐにして、お風呂に入って、おしゃれをして彼からの連絡を何時間でも待ち続けている」らしいんです。
私の正直な感想としては「そりゃ、奥さんと子供が待つ家に帰るよね。普通!
もしも奥さんが夜に出掛けたら、こっそり不倫相手に会いにいく程度だよね。多分!ってか!不倫をする時点で終ってるけど、職場の人によくもまぁ、恥ずかしげもなく堂々とと話せるな(怒)非常識過ぎ!」と憤りみたいなものを感じました。
(こんな事は本人達には言えませんでしたが。)
彼女は周りが見えなくなってるんでしょうけど、どう聞いたって騙されてるしよ!?(笑)わざわざチリチリをアイロンで伸ばして会うほどの相手なのか?
うちのオーナーは、この「佐藤であるスネ夫」が、可愛くてしょうがないんでしょうね。
(スネ夫である、佐藤さんか。どっちでも良いんですけど。)
何故ならジャイアンだから(謎)
佐藤さんの報われない不倫の話を聞いた後に突然、私に話をふってきました。
「佐藤さんは本当に彼の事が好きなのね。純粋で可愛いわ。会えるか会えないかもわからないのに、好きな人の連絡を待ち続けるなんて!けなげよね。一方、あなたにはそんな純粋で乙女なところ無いでしょ?その程度の女だから。」と言い放ってきたのです。
・・・私は意味が理解出来ませんでした。
そもそも私は純粋な乙女だからこそ!不倫なんてしませんけど?!佐藤さんと違ってね!(怒!)それに「その程度って何?!」腹立つわ~。オーナーも60過ぎた良いババアなんだから、不倫なんて良くない事はやめろと女性として注意してやれよ!と瞬時に色々と思いましたが、声には出来ずに飲み込んでしまいました。
はぁ。。(→深い深~い、ため息)
あの時は常識の無さに激しい疲労を覚えました。
変な因縁を付けてくるところ、まさに「ジャイアン!のび太のクセに」ってやつです。
イケメンゆうすけちゃん
「雄輔(ゆうすけ)ちゃん(仮名)」とオーナーに呼ばれている、20代後半の男性従業員がいました。
もちろん美容師ですので、それなりに身なりにも気遣いも出来ています。
そう!「イケメン」の部類です。
オーナー自身はバツイチ子持ちで再婚しているのにも関わらず、子供に近い年齢の「若いつばめ」が好きな模様でした。
「ゆうすけちゃん!(ハート)ゆうすけちゃんたら!(ハート)」と、お客さんがいる前でも平気で、しかも気持ち悪い声で呼ぶ声と姿がとても「印象的」です。
しかし!
なるほど納得。
佐藤さんの不倫も、オーナーが理解を示しているその心理は、若いつばめを囲っているから。
決定的な情報は、あるお客さんからの情報で雄輔ちゃんとオーナーが手を繋いで歩いているのをみたとの事。
こういう事だったのか!
お色気ムンムンで、本当に気持ち悪い人達。
私みたいにまともな人間が、意味の解らない因縁を付けられるなんて。
迷惑千万でしかありません。
(しかも、根も葉もないですからね!)
この辺りから「こんなお店は早く辞めなくては」と考えるようになったのです。
(遅いか。)
トリプル不倫職場にさよなら
そんなわけで紆余曲折あったこの美容室も、佐藤さんとオーナーと雄輔ちゃんという「ダブル不倫」・・・否、「トリプル不倫」が発覚し、私にはついてゆけない運命の人間関係に翻弄され、退職を決意するのでありました。
アホらし。
つづく。
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